@techreport{oai:u-sacred-heart.repo.nii.ac.jp:00001142, author = {高橋, 雅延 and Takahashi, Masanobu}, month = {}, note = {10206849, 聖心女子大学, これまでの記憶の心理学的研究では、どのような記憶の仕方(すなわち記憶方略)が記憶を向上させるかという検討に重点が置かれていた。しかしながら、これらの記憶方略を使用する段階以前に、さまざまな記憶に関する固定観念(すなわちステレオタイプ)が存在している。たとえば、「高齢になると記憶力が減退する」という記憶の年齢差に関するステレオタイプや、「女性は(男性に比較して)自動車の記憶力が悪い」という記憶の性差に関するステレオタイプなどがある。 本研究では、これらのステレオタイプが効率的な記憶方略の使用に与える影響の解明を目的とした。そして、女性の若齢者(大学生)と高齢者(65歳以上)を対象に、記憶の年齢差と記憶の性差のステレオタイプに関して説明する群と、それらのステレオタイプが実証されていないことを強調してステレオタイプを除去する群、に分けた。その後、年齢差や性差が認められる課題として、自動車の写真を覚えさせた上で、記憶テストを行った。 本研究の作業仮説とは、ステレオタイプが喚起されることで、不安を感じ、(1)これが記憶課題とは無関連な思考を生みだし、(2)記憶方略の使用時に必要となる集中力(すなわちワーキングメモリ)の妨害となり、その結果、効率的な記憶方略が使用できず、記憶パフォーマンスが悪くなるという作業仮説を設定した。この作業仮説にしたがえば、(1)無関連な思考の産出を抑える抑制能力の個人差や、(2)ワーキングメモリ容量の個人差、のそれぞれに着目することで、たとえステレオタイプの喚起される事態であっても、記憶方略に及ぼす影響が異なり、得られる記憶パフォーマンスの異なることが予測された。 実験の結果、必ずしも予測通りの結果が得られたわけではなかったものの、若齢者においては、ステレオタイプを除去する教示により、(高齢者においては認められなかった)記憶成績が向上する傾向が認められた。, 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 基金,研究期間 (年度):2018-06-29–2021-03-31, 18K18700}, title = {記憶方略に及ぼすステレオタイプの影響に関する実験的検討}, year = {2018} }